アトピー性皮膚炎治療ガイドラインは嘘ばかり!?

   

アトピー性皮膚炎治療ガイドライン

アトピーの治療方法や治し方として、アトピー性皮膚炎治療ガイドラインというのが出されているのですが、内容をよく読んでみると、本当にちゃんと調べてる?といった内容を見かける事があります。

ということで、今日は、アトピー性皮膚炎治療ガイドラインについて、見ていきたいと思います。

アトピー性皮膚炎治療ガイドラインは嘘ばかり!?

アトピー性皮膚炎の診断・治療について語られているガイドラインは、現在国内で2つの組織から発行されています。

発行は日本皮膚科学会と日本アレルギー学会

1つは『日本皮膚科学会』、もう1つは『日本アレルギー学会』のものです。

共にその治療について大きな違いはないのですが、2つ存在しているのは、皮膚疾患である「アトピー性皮膚炎」の側面と、アレルギー疾患である「アトピー性皮膚炎」との認識が並行しているためだと言われています。

そして、それぞれが発行しているガイドラインは「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版」と「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2015」とこれまた名前も似ています。

それぞれ改訂は毎年行われているわけではなく、科学的根拠・知見に合わせて都度改訂されており、最近では日本皮膚科学会ガイドラインが2009年以降7年ぶりに改訂されました。

アトピー性皮膚炎治療ガイドライン

ガイドラインが2つあるのですが、よく読んでみても内容はほとんど変らないので、直近改訂された日本皮膚科学会発行の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版」について少し私なりの意見を加えながら解説していきたいと思います。

前回の2009年版と異なるポイントとしていくつかありますが、大きくは治療について初めてプロアクティブ(proactive)療法が推奨されています。
→プロアクティブについては「プロトピックは今すぐゴミ箱へ!」でも書いていますが、プロアクティブは最終手段です。なので、これを堂々とアトピー性皮膚炎治療ガイドラインに掲載してしまわれると、本当に大丈夫?と少し思ってしまいます。

また、これまで議論されていた抗菌薬含有ステロイド薬使用を含めた抗菌薬併用についての是非、病勢を示唆するバイオマーカーにTARC値が有用であることが追記されていました。
→何か難しいことを書いていますが、TARCは、thy- mus and activation-regulated chemokineと言われ、これが何かと言うと、アトピー症状が悪化すると血液中のTARC濃度が増加します。つまり、このTARCの値が高ければアトピーが悪化されているとみなされています。これについては正しいです。実際アトピー出ているということは身体の内部で処理出来ないものが増えているという事ですので。

巻末にはクリニカルクエスチョンが追記され、日常診療においてその有用さ・推奨度が一目で分かるようになっている。
→この内容は悪くなかったです。

アトピー性皮膚炎治療まとめ

アトピー性皮膚炎治療ガイドライン改訂による治療軸は変わらず治療の柱は

①薬物療法
②皮膚の生理学的異常に対する外用療法・スキンケア
③悪化因子の検索と対策の3点を基本としています。

アトピー治療において今までと違い、気づくポイントとすれば、プロアクティブ療法が推奨されたことによるステロイド外用剤の使用頻度にあると思われます。

プロアクティブ療法は「再燃をよく繰り返す皮疹に対して、急性期の治療によって寛解導入した後に、保湿外用薬によるスキンケアに加え、ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬を定期的に(週2回など)塗布し、寛解状態を維持する治療法である」とされています。

これまではステロイド長期使用による副作用懸念から症状が改善し落ち着けば、その後は保湿剤をベースとした治療が主流でしたが、症状が安定しても皮疹にステロイド外用剤を塗布し続ける(頻度は落としながら)ことで、症状が再燃するまでの期間が延長することが数多く報告されたことから本療法が推奨度が高い位置付けとなった経緯がありますが、これって再発している時点で一時的な治療方法だと思います。

ステロイドの長期使用については、アトピーがかなり悪化してしまった人には有効ですが、やはり違和感を感じる部分が多いのが本音です。

ただ、参考になる部分も多いかもしれませんので、興味のある方は、「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版」を読んでみて下さい。